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オフィシャル・サポート・アーティスト

伊藤順一

〈第1期〉

Profile

伊藤順一

4歳よりヤマハにてピアノを始め及川良子氏に師事し、その後ヤマハピアノ演奏研究コース、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、同大学にて秦はるひ氏に師事し、在学中に第21回彩の国・埼玉ピアノコンクール金賞、第4回横浜国際音楽コンクール大学の部第1位、並びにパリ・エコールノルマル音楽院への奨学金を得て2011年よりフランスに渡りエコールノルマル音楽院へ留学。アンリ・バルダ氏のクラスで学び演奏課程を首席で修了。

翌年コンサーティストディプロムをピアノ、室内楽共に満場一致の首席、審査員特別賞で修了し、2014年パリのサル・コルトー にてソロリサイタルを開催。その後パリ国立音楽院、リヨン国立音楽院にてエルベ・エヌカウア、ティエリー・ロシュバック両氏に師事し研鑽を積み、2016年よりシャトゥ、ステファノ・マリッツァ、ニースなどの各国際コンクールで第1位を受賞、その他イタリア、スペイン、クロアチアなどヨーロッパ各地のコンクールに入賞し、バカウフィルハーモニーやオーケストラサウンディフ、クロアチア放送交響楽団と共演。

2017年には2台ピアノで第91回レオポルド・ベラン国際コンクールにおいて第1位を受賞。
2018年フランス リヨンのゲーテサロン、2019年イタリア南部バルレッタにて2夜連続のソロリサイタルを開催。その後完全帰国し、日本ショパン協会主催第4回日本ショパンピアノコンクールにおいて第1位を受賞。
2020年ソロアルバムCD「僕のショパン」をリリースし、発売記念リサイタルでの演奏が評価され、毎年ショパン作品に優れた演奏を示したピアニストに贈られる「2020年度第47回日本ショパン協会賞」を受賞。

また、以前より室内楽の分野でもデュオ、カルテット、2台ピアノなどのアンサンブルコンサートを日本とフランスで主宰し、多くのアーティストの共演者としても活躍。現在、東京や神戸にて後進を指導する他、各地で演奏会を開催している。

Movie

第18回ショパン国際ピアノ・コンクール 第一次予選(2021年10月6日)

プリューダン :12のジャンル・エチュード 第1巻 Op.16 第3番「海」

プリューダン :《オルフェオとエウリディーチェ》(グルック)より、《われエウ リディーチェを失えり》

Chiko Miyagawa & Junichi Ito , Duo de la Lune et du Soleil

Column

2021年5月15日(土)
The Music Center Japan “Spring Joint Concert”(兵庫県芦屋市)客演の
伊藤 順一氏(pf.)の演奏に寄せて。

山田 良(一般財団法人カンセイ・ド・アシヤ文化財団 代表理事/日仏音楽協会=関西 理事長)

 鬱滞(うったい)が続く世情の日々に、思いがけず、清新なピアニストとの邂逅を得た。伊藤順一氏である。柔らかな物腰と笑顔、奥深いところで端然とした落ち着きを感じさせる佇まい。齢(よわい)而立(じりつ)の演奏家が、Salon Classicのトレードマークでもあるニューヨーク・スタインウェイで奏でるショパンを聴くことは、最近稀にみる、瑞々しく、かつ鮮烈な音楽体験となった。

 プログラムは「舟歌」「マズルカop.24」「幻想曲op.49」、そしてアンコールにマズルカ2品と「幻想即興曲」という、オール・ショパン。

伊藤 順一氏
 ショパンの「舟歌」は、冒頭の和音が印象的だが、この始まりは、聴く側にとってだけでなく、個々の演奏家にとっても、様々に異なったイメージを想起させるようだ。演奏前の伊藤氏自身による「解説」では、彼にとっては、ヴェネチアに到着して、建物の窓を開いて視界に飛び込んでくる水都の情景を思わせるということだった、と記憶する。

 聴いていて鮮烈な一瞬を感じたのは、この冒頭和音が鳴らされる、まさにその瞬間だった。ピアニストの左手がさりげなく高く振り上げられ、次の刹那に、真っ直ぐに鍵盤へと振り下ろされる。この時、彼の左足は自然に伸ばされて軽く床を離れて宙に浮いていた。左手と左足が同時にふっと浮き上がって下りる、力みのない一連の動き。次の瞬間に、あの「舟歌」の冒頭の和音が響いて、脳裏に青く揺らぐ水が満ち、「ぎっ・・」という櫂が水底を蹴る感触と共に、肉眼には見えないゴンドラが確かに動き出したのだった。

 ピアノ演奏を聴いているにも関わらず、異質の受容体験を同時にしているような不思議な感覚が、この日の伊藤氏の演奏を聴いている間中、続いていた。いったい、これは何だろうと思いながら聴いていると、やがて、以前これと同じ感覚に陥った時のことを思い出した。

伊藤 順一氏
 何年も前に、奈良のとある寺で、書家が大襖(おおぶすま)に筆を揮(ふる)う場面に居合わせた時のこと。数畳はあるかと思われる紙面に、墨をゆたかに含ませた大筆を下ろす、その最初の瞬間の書家の体の動き、空気の変化。筆先が襖面に触れた刹那(せつな)、白紙の襖は墨が載ることで最早「空白」ではなくなり、その後に現れた禅語(たしか「行雲流水」(こううんりゅうすい)であった)の世界を映す空間に変わっていった。あの時の書家の動きと似ている、と思い至った時、もう一つ瞠目することがあった。伊藤氏の呼吸の取り方である。

 ショパンのピアノ曲は、世に優れた音楽作品の例に漏れず、演奏する人間の数だけ表現の違いが生まれるといえるだろう。演奏家の個性が強く出て、同じ曲とは思えない印象になることも珍しくない。そんな中で、堅実な解釈を踏まえて理知と情感がバランスよく、かつ繊細に表現される伊藤順一のショパンは、どちらかといえばオーソドックスなアプローチの範疇に入るのかもしれない。が、聴く側の感覚において、今回本当に興味深かったのは、ご本人が意識しているか否か知るよしはないのだが、この「呼吸で演奏する」スタイルである。

伊藤 順一氏

 伊藤氏の演奏は、どんな小さい部分も揺るがせにしたり、流したりすることなく、過不足ない丁寧さをもって展開されていったが、その自然な精緻さがどこから出ているのかと思って聴いていると、彼の呼吸の変化なのではないかと感じ至った。息の吸い吐きでリズムをつくる演奏家は少なくない。が、伊藤順一のそれは単なるフレージングのきっかけやリズムメイキングの目安ではなく、もっと重要な役割を果たしているように見える。さりげない、しかし確かな吸気と呼気の切り替えが生む、リズムの緩急とフレーズのメリハリ。そこから生まれたショパンの作品特有の「音のうねり」が次第に増幅していき、やがて室内全体に音のバイブレーションとなって充満する。

 さらに印象的だったことは、聴衆の多くが、いつしか演奏者と同じ呼吸になっていたことだ。場全体が一つの呼吸となり、重なり合う音の振動に身を委ね、共鳴している。

これまた、あの奈良の寺で、書家の揮毫(きごう)に居合わせた時に通じる感覚だった。とめ、はね、はらい、筆の動きの一つ一つに合わせて書家が呼吸する、その息のリズムに、その場に居た者が皆、無意識のうちに同調(シンクロ)していた。あの日、大襖に墨痕(ぼっこん)鮮やかに書き上げられた禅語は、思えば書家が一人で為したものではなく、あの場に居た人間全員のエネルギーも一致した呼吸に乗って書家の筆を伝い、襖の上に現れ出たればこそのものではなかったか。

その文脈でいえば、伊藤順一のピアノは、彼一人だけで奏でているのではなく、自らの呼吸(いき)と体を通して、聴衆を含めた会場空間全体をも共鳴させうる稀有な何かを内包している、といえるのではないだろうか、と思うのである。

フランスで長く研鑽を積んできたという伊藤氏、これから日本国内だけでなく、世界規模で活躍する演奏家として立っていくこと必至と見る。各国の個性ゆたかなピアニストが群雄割拠する、グローバル・レベルの演奏家の世界で、日本の「書」を思わせる静謐な底力と、「やまとごころ」の潤いを湛えた彼のピアノが、確かな存在感を放つものとして認められることを心から願う。

Photo Gallery

伊藤順一
伊藤順一
伊藤順一
伊藤順一

News

2022年1月21日(金) 鎌倉ニューイヤーコンサート

チラシPDFはこちら

日時 2022年1月21日(金)17時45分開場 18時30分開演
会場

鎌倉芸術館 小ホール

神奈川県鎌倉市大船6-1-2 (JR東海道線大船駅より徒歩約10分)

Google mapはこちら

入場料 一般3,500円 当日4,000円
ペアチケット6,000円(限定50組)
プラチナ(70歳以上)2,500円
中学生以下 無料(限定数 ご予約制)
全席自由席※未就学児入場不可
問い合わせ・チケットご予約 NPO法人 湘南クラシックアーティストパラダイス
0467-24-5695

2022年1月23日(日)とんだばやし演奏家協会「私の街でクラシック:奥田なな子と伊藤順一が綴る2つのコンサート」

日時 2022年1月23日(日)
会場

すばるホール 2Fホール(両公演とも全席自由)

大阪府富田林市桜ヶ丘町2−8

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入場料 開演13時「こどもとクラシック」(一般¥1,000 中学生以下¥500(当日各¥200増し))
開演15時「チェロとピアノで綴る珠玉の作品集」(一般¥1,000高校生以下¥500(当日各¥200増し))
問い合わせ・チケットご予約 チケット販売所:すばるホール0721262060 ローソンチケット
【Lコード55778】Vol.32
【Lコード55780】Vol.33

2022年2月13日(日) 豪華!2台ピアノによる 四人の偉大な作曲家の競演コンサート 〜モーツァルト・ストラヴィンスキー・ガーシュイン・ラフマニノフ〜

日時 2022年2月13日(日)14:00開演/13:30開場
会場

逗子文化プラザ なぎさホール

逗子市逗子4−2−10

Google mapはこちら

入場料 全自由席 中学生以下無料ご招待(限定数・要予約)
一般3000円 ペアチケット5000円 プラチナ(70歳以上)2000円
主催 NPO法人 湘南クラシックアーティストパラダイス
問い合わせ・チケットご予約 チケット販売:逗子文化プラザ受付 0468706622
湘南クラシックアーティストパラダイス 0467-24-5695

デビューアルバム「プロフォンド」 リリース

2021年12月8日発売予定!
詳しくは下記ページをご覧ください。

NEW RELEASE 「Profonde」のお知らせ

12/25(土) 聖夜に聴くブラームス五重奏 コンサート(終了いたしました)

 

日時 2021年12月25日(土)13時30分開場 14時開演
会場

カーサモーツァルトサロン

東京都渋谷区神宮前1-10-23 (JR山手線原宿駅より徒歩5分、東京メトロ明治神宮前駅より徒歩2分)

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入場料 全席2,500円

11/18(木) ショパン 魅惑のコンサート開催!(終了いたしました)

伊藤順一 スケルツォ全4曲、川添文 バラード全4曲

11月公演
日時 11月18日(木) 13時開場 14時開演
会場

逗子文化プラザ なぎさホール

神奈川県逗子市逗子4-2-10(京浜急行「逗子・葉山」駅より徒歩2分 / JR横須賀線「逗子」駅より徒歩5分)

Google mapはこちら

入場料 全自由席3000円
ペアチケット5000円
プラチナ(70歳以上)2000円
問い合わせ 0467 24 5695

11/29(月) 伊藤順一 ピアノリサイタル開催!(終了いたしました)

ショパン スケルツォ、バラード全曲

11月公演
日時 11月29日(月) 18時15分開場 19時開演
会場

すみだトリフォニー小ホール

東京都墨田区錦糸1-2-3 (JR総武線「錦糸町」駅北口 / 東京メトロ半蔵門線「錦糸町」駅3番出口より徒歩5分)

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入場料 全自由席
一般3500円
学生2500円
問い合わせ 0467 24 5695

伊藤順一さんへのメッセージ・演奏依頼など は こちらからお願いします。
財団経由になりますので、レスポンスにしばらく時間がかかることをご了承ください。
(※当財団への電話問い合わせは0797 38 2785、Eメール問い合わせはstanzi@chive.ocn.ne.jpまで。
各演奏会についての問い合わせは、上記の演奏会情報欄の「問い合わせ」までお願いします。

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