カンセイ・ド・アシヤ文化財団カンセイ・ド・アシヤ文化財団

相手の話を「きく」難しさ

第9回 プチ・サロン・デュ・カンサイ

こんにちは。代表理事の山田です。
また、かなりの更新遅滞になってしまいました(汗)。毎日慌ただしく過ごしながら、ともすれば「あれもやっていない」「これもまだ」と気持ちばかり焦り。財団が立ち上がって八ヶ月ほどになりますが、先々のことも考えながら、かつ今やるべきこともサクサクこなしていく、というような、かっこいい仕事ぶりにはまだまだです。トライアンドエラー(試行錯誤)の末に、少しはかっこよくお仕事できるようになりたいものです。
さて、今日は、そんな慌ただしい毎日の中で、今更ながらに「難しい」と痛感していることなのですが。それは、
「相手の話をきくこと」。
集中を要する仕事上のやりとりから、とりとめない日常のおしゃべりまで、私たちは絶えず「人の話をきいて」います。その時に、自分がどんな風に相手の話を「きいて」いるのか。「きく」と一言で言っても、いろいろな「きく」がありますね。じっくりと音楽に向かうように「聴く」、相手の話の中身を、きちんと情報処理しながら「聞く」、あるいは、あまり良いことではないですが、それほど意識を向けずに「聞き流す」。いずれにしても、人の話を「きく」時、そこには必ず「相手」がいて、こちらに向けて「話し手」として向き合ってくるわけですが、きちんと話をきく、ということは、相手を大切に受けとめる、ということでもあって、コミュニケーションのマナーとしても非常に大事なことだと思います。

おのが身を振り返ってみれば、忙しさを理由に、相手の話をきちんと聞けていないことが多い、と反省しきりの今日この頃です。出来るだけ、ゆったりと相手のお話を聞こう、と心がけてはいるのですが、今日中に、あと何本メールを返さねばならない、あれも打ち合わせして、これも連絡をしておかねば、と思いながらでは、どうしても気ぜわしいのが雰囲気に出てしまうのでしょうか、お相手も「お忙しいようなので・・・」と、出掛かった言葉を飲み込んでしまわれる時もあり。ああ、これは本当に失礼なことであるし、こんなふうでは、言っていただくべきことも言ってもらえなくなる、と後で後悔しています。

相手の話を聞けている、いない、については、当人が喋る速さも影響するように思います。私などは、もともとがかなりの速口で、喋りたいことが沢山あるとなおさら速くなりがちで、小さい頃から「もうちょっとゆっくり喋りなさい」と注意されたものです。皆さんはいかがでしょうか。

話がいささか逸れますが、興味深いことに、俳優さんが台本の読み合わせをする際、舞台俳優出身の人は相手のセリフが終わらないうちから自分のセリフを読むような人が多く、映画俳優出身の人は逆に相手のセリフを全部聞いてから自分のセリフを読む人が多いとか。これは、普段どのような芝居の仕事をされているかの影響ではないかと思われます。舞台劇の台本を実際に声を出して読んでみると実感されるのですが、普通のやりとりであっても、相手のセリフの末尾を噛むくらいのテンポでセリフを喋ってちょうどいいくらいになることが多いのです。おそらく、舞台劇、という一種人工的な会話空間だからこその現象かなと思いますが、一方、よりリアルな時空を再現していると言える映画やTVドラマでは、舞台と同じテンション、テンポでセリフを喋ると、非常にせっかちな風に聞こえる可能性が高いように思われます。いずれにしても、その場その場で最も適したテンポとタイミングで対話を進められるのがベストではありますが、なかなか難しいものですね・・・

財団の関連で、このところ、実にたくさんの人におめにかかる機会が多いのですが、その中に、会話のテンポをつくるのが本当に上手い方がおられたりします。ご本人も、かなりお忙しい方なのに、そのようなところを微塵も見せず、純粋に会話を楽しんでいる風情で、しかも、無意識にされておられるのかもしれませんが、相手の呼吸と自分の呼吸をうまく合わせて、相手も自分も話しやすいテンポを生み出されています。横で聞いていると、上手いジャズのセッションのようです。相手の呼吸をはかりながら、絶妙のタイミングで相槌を打ち、快いテンポで会話を進める。音楽家の中でも、どのような楽器とのセッションになった時にも、見事なタイミングとテンポで合わせる妙技をお持ちの人がいますが、その点、言葉も音楽も同じだなあと思ったりいたします。

さて!前置きが長くなりましたが(笑)、来たる3月17日(日)に、兵庫県立西宮市の「西宮市プレラホール」で開催いたします、第9回プチ・サロン・デュ・カンサイでは、言葉と音楽の見事なセッションを堪能いただくプログラムをご用意しております。

言葉と文化の国境を軽々と飛び越えて、聴衆を抱腹絶倒の世界に誘う落語パフォーマー 尻流・複写二(シリル・コピーニ)と、ノーブルで機知に富んだトークと冴え渡るピアノ・パフォーマンスで聴衆を魅了する気鋭のピアニスト、本田聖嗣がタッグを組んでの、「ミュージカル落語✖️piano」の素敵な舞台。シリル・コピーニ氏は現在フランス全土を落語パフォーマンスでツアー中、各地で大人気の公演を繰り広げています。17日のステージは、すでに東京方面でも絶賛の内容、関西では滅多に見られません!お席はまだまだ余裕ございます、皆さま是非お誘い合せ、お越し下さいませ!

腹筋と琴線、両方を震わせてくれる、絶妙セッション。西宮の春に、笑いと音の華を咲かせます!

 

また、お立ち寄り下さいませ。