カンセイ・ド・アシヤ文化財団カンセイ・ド・アシヤ文化財団

OSAP2025(2025年度オフィシャル・サポート・アーティスト・プログラム)選考結果 発表

カンセイ・ド・アシヤ文化財団の「2025年度オフィシャル・サポート・アーティスト・プログラム」(OSAP2025)は、財団役員会による厳正かつ慎重な審議の結果、「該当者 無し」となりました。

以下に、選考結果についての公式ステイトメントを記します。

ーーーーーー

OSAP2025選考結果について

カンセイ・ド・アシヤ文化財団の「2025年度オフィシャル・サポート・アーティスト・プログラム」(OSAP2025)は、財団役員会による厳正かつ慎重な審議を経て、「該当者無し」となりました。

2024年度から2年続いて「該当者無し」という結果が出たことについて、当財団役員会は改めて当財団の運営方針と目指すところを確認する機会でもあったと受けとめております。

2024、25年度共に、様々な分野で活動する多数のアーティストの皆様からの応募がありました。活動内容のレベルがひじょうに高い応募者が少なくなく、既に国内外で高い評価を得ている人たちもおられ、当財団のOSAPに、多くの優秀な若いアーティストが注目し、応募をしてくださったことに、財団を代表して、改めて感謝の意を表します。ありがとうございました。

「OSAP募集要項」にも記していますが、これは優れた才能と高い意欲をもつ若い芸術家(音楽・美術・舞台芸術 等 芸術全般)に、経済的支援と表現の機会を提供すると同時に、「当財団の趣旨である芸術文化振興活動の促進もはかる」プログラムです。つまり、オフィシャル・サポート・アーティストの生き方や活動に、私たちも触発され、当財団の主たる活動である芸術文化振興活動に新しいヒントやアイデアを得て、単なる一方通行の援助ではなく、相互に成長発展していくことを目指しています。その意味で、OSAPにおいては、「この人をぜひ応援したい、そして我々も共に成長発展していきたい」と、私たちの心を強く動かしてくれるアーティストを求めています。

選考の各段階において私たちが強く感じていたことがあります。それは、科学技術が益々速度を増して発展し、AIが生活の様々な場面に浸透しつつあるこの社会において、アーティストとして活動していくには、これまでの時代以上に、一人の「ひと」として「リアルな存在」であることが重要なのではないか、ということです。

応募フォームや提出された書類資料において、その人ならではの、自然な言葉で書いてほしいと感じるケースが少なくありませんでした。採否が関わる企画ですから、いわゆる「ビジネス・マナー」を意識することも大切ではあります。が、「アート」(芸術)を生み出したいというのではあれば、尚更、その人自身の奥底から生まれてきた想いをのせた言葉で語ってほしい。各種マニュアルや生成AI等に頼るのではなく、拙くても自分の心の声をまっすぐ言葉にして伝えてほしい。そういう言葉には、体温と血の通う感覚があり、私たちはそのような、応募者からのダイレクトな「熱」が伝わってくる言葉を期待しています。

「途上」にいる現在の姿を、凸凹(でこぼこ)含めて衒(てら)いなく、自然にありのまま見せてほしい、とも感じることがありました。目の前の様々な局面を、ゲームの画面に向かうのと同じような感覚で、少しでも効率よく「攻略」するのが望ましいこと、と考える向きが多い時代です。が、だからこそ、「ソツなくこなせる優秀な人材」として自身を印象づけるのではなく、「アートを生み出す人間」として、未満・不達・未了、試行錯誤中の「今の自分」をそのまま示していただきたい。その上で、自分は何を目指しているのか、を語ってもらいたい。たとえその目指す先が、この地上から太陽までほど離れているとしても、その距離を蟻の歩みであっても進んでいきたいという、創造者(クリエイター)としての情熱を感じさせてほしいのです。自分の現状を冷静に見据えた上で「何をしたいのか( to do)」を明確に伝えることは、無論重要です。が、その前提には「アーティストとしてどうありたいのか (to be)」が、熱と不安と根拠のない確信と共に、その人の中にまず存在するかと思います。自分にはそのようなものは特になくて、あくまでこの現実世界での”to do”だけがある、というのであれば、それは少なくとも私たちが求め、サポートをしたいと考えるタイプのアーティストではない、ということになるかと思います。

様々な意味で「余裕のない」時代だからでしょうか、アーティスト活動にも「堅実さ」を意識した傾向が強まっている印象があります。奇を衒うためだけの「破天荒」は往々にして単なる無謀ですが、既成概念や既存の枠組みを離れて、自由に羽ばたく想像力から生み出される「これまでにかつてないsomething」こそ、アート(芸術)のみが成しえる創造といっても過言ではありません。どんな分野であれ、「アーティストとして生きる」ことを目指すのであれば、その根底には「究極的に自由な精神」が息づいていてほしい。私たちはそうした、創造への情熱と共に「自由な精神の翼」をもったアーティストを応援したいと強く希望します。

2026年度OSAPの募集は、本日3月15日から始まっています。募集締切は2025年12月20日です(これまで1月末日でしたが、2026年度から12月20日といたします)。当財団の趣旨に共感し、現代に清新な芸術の新風を吹き込む意気込みをもったアーティストの皆さまのご応募を、心からお待ちしております。(OSAP募集要項ページ→https://kansei-de-ashiya.org/osap/

2025年3月15日
一般財団法人 カンセイ・ド・アシヤ文化財団 

代表理事 山田 良

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。