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第51回フランス音楽コンクール 声楽部門1位入賞 宮川 七海さん 受賞コメント

2021年11月7日に兵庫県芦屋市にて開催された 日仏音楽協会=関西主催「第51回フランス音楽コンクール」(一般財団法人 カンセイ・ド・アシヤ文化財団 後援)。声楽部門にて1位入賞をされました、宮川 七海(みやかわ ななみ)さんの受賞コメントです。

◆宮川 七海(みやかわ ななみ)

宮川七海 画像

 

東京音楽大学大学院音楽研究科声楽専攻独唱研究領域修士課程1年在学中。


第25回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会声楽部門第3位

東京音楽大学声楽部会主催 卒業試験優秀者演奏会出演

 

【第51回フランス音楽コンクール 声楽部門:本選演奏曲】

フォーレ Fauré /ヴェルレーヌ Verlaine  「月の光」 Clair de Lune
ドビュッシー Debussy /「そはやるせなき」 C’est l’Extase Langoureuse
ドビュッシー Debussy/「緑」Green
ドビュッシー Debussy/「憂鬱」Spleen
 

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《受賞コメント》

1、今回のコンクールでの自分の演奏をふりかえって および 今回のコンクールに参加しての印象

 フランス歌曲は私にとって非常に魅力的で大切な存在であり、自分が大好きな曲でコンクールを受けられることがとても楽しみでした。歌曲のコンクールは全国的にも多くはなく、今回のコンクールは貴重な機会でした。また、遠距離移動のある日程でのコンクールに初めて挑戦したため、良いコンディションに持っていけるよういつも以上に気を遣い、大変な面もありましたが、前日に実際にホールで練習してみて、とても綺麗に響くホールで気持ち良く歌えたことでモチベーションが上がったのを覚えています。 来年もこのコンクールを受けたいという気持ちが強く、予選はなんとしても通過したい!と意気込んでいたこともあり、かなり緊張してしまいましたが、田中健先生の伴奏が非常に心強く歌いやすかったため、なんとか最後まで歌いきることができました。

 翌日の本選では『予選での反省を生かそう。結果のことは考えず、とにかく大好きなドビュッシーの歌曲を自分なりに表現しよう』という気持ちで挑みました。今回、私はフォーレの「月の光」とドビュッシーの「忘れられた小唄」より3曲歌いました。ドビュッシーの歌曲には特に魅力を感じており、この本選というステージで歌えたことは私にとって大きな出来事でした。ドビュッシーの歌曲の言葉のニュアンスや情景を細かく音楽にしている部分や繊細な表現を自分の中で楽しむことで終わらせずに外に表現するにはどうしたらいいかということを考えながら日々の練習に励みました。歌い込んで行くうちにどんどんドビュッシーの世界に引き込まれて行き、更に魅力を感じるようになっていました。もっともっと勉強したいのに時間が足りないというのが本音でしたが、先生方が日々のレッスンでとても細かいところまで時間をかけて指導してくださったため、自分なりにできるところまで頑張り、ここまでくることができました。田中健先生が最後の合わせで「来る度に良くなっているよ」という言葉をかけてくださり自信につながりました。本番ではもちろん緊張しましたが、この言葉を思い出し、『私はフランス歌曲が大好きでこの素晴らしい作品の世界を少しでも表現できるように』という気持ちで歌いました。本番ではドビュッシーの世界を楽しむという、緊張に勝る感情があり、最後まで歌い切ることができました。コンクールでの演奏を通じて今後の課題を沢山見つけることができたとともに、フランス歌曲をさらに深く学んでいきたいと改めて感じました。

 ここまでご指導してくださった先生方や日々の音楽生活を支えてくれている家族に大変感謝しております。この経験は私にとって非常に大切なものであり、これからこの経験を生かし更に音楽を追求していきたいと感じています。ありがとうございました。

2、フランス音楽との出会い(きっかけなど) 

学部3年生の頃に何気なくレッスンで歌ったドビュッシーの歌曲が初めてのフランス歌曲への挑戦でした。もともとフランスへの憧れがありクラシック音楽はもちろん、フランスのファッション、食文化にも興味がありました。またフレンチ・ポップ・ミュージックも好きでクレモンティーヌのコンサートにも行くなど、憧れはあったものの、作品にはなかなか挑戦できていませんでした。学部3年生の時に数曲ドビュッシーの歌曲を歌ってみたことをきっかけに学部4年生でフランス歌曲の授業を受講するようになり、どんどんフランス歌曲の魅力に引き込まれて行きました。卒業試験ではドビュッシーの「月明かり」を歌いました。今回もドビュッシーの歌曲を4曲もプログラムに組むことができ、幸せなステージでした。これからもドビュッシーの作品をより深く勉強しながら、フォーレ、プーランク、メシアンなど様々な作曲家の作品にも挑戦していきたいと思っております。

 

3、演奏家としての今後の抱負

残すところ1年余りの大学院生活ではフランス歌曲に力を入れつつ、演奏家として少しでも多くの人に癒しや勇気を与えられるような技量をつけられるように精進していく所存です。卒業後はチャリティコンサートなどを沢山行いたいという目標があり、自分なりに演奏家として社会貢献できる方法を模索していくつもりです。今回の素晴らしい経験をこれからの音楽家人生に活かし、フランス歌曲の魅力を表現できるように日々の練習に励み、目標に向かってコツコツと積み上げていきたいと考えております。

敬老園サンテール千葉にてミニコンサートに出演予定 1月22日

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本選演奏の動画のYoutube掲載は2022年1月を予定しております。

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