【伊藤順一(pf.)サロンコンサート＠神戸・御影　世良美術館　05/13/2023】

おかげさまで、盛会のうちに、とどこおりなく終演いたしました。

前日までの晴天から、湿気を帯びた梅雨はじめのような大気となった空模様。ご来場の皆様の御足元、そして湿度温度に敏感な楽器(Steinway B-211)のコンディションが気がかりでしたが、手練（てだれ）の奏者の妙演を、会場最大限席数（80席）を埋めた聴衆が堪能。素晴らしい音楽の午後を、皆様とご一緒できましたことを、心から感謝申し上げます。

伊藤順一氏にとって、三度めの世良美術館でのサロン・コンサート。昨年五月から、初夏と秋の年二回のペースで開催しています。会場全体の響きぐあいや、個々の楽器の特徴や状態など、演奏に影響する様々な要因に、こまかいところまで耳目を働かせるピアニストの要望に、毎回快く応じてくださる世良美術館の皆様。会場側のお気配りとご理解・ご寛容あってこその定期開催実現、と毎回深く感謝しています。本当にありがとうございます。

そして、回を重ねるごとに増えていくお客様の数。それも、「この演奏をぜひ聴かせてあげたい、聴いてほしい」「一緒に聴きたい」と、ご家族やお友達の方々をお誘いくださっての輪の広がり。演奏家の「聴衆動員」には様々なケースがありますが、このように、花の芳香、果実の薫香に誘われるかのように人が人を呼んで集まってきてくださる流れの底には、やはり演奏家本人の人柄があるかと感じます。三十路を越えたばかりの伊藤氏、演奏家としての技量、才能が充実していく可能性はもちろんですが、彼の大きな人徳である「人を大切に想う」気だてが、今後ますます多くの「聴衆の輪」を生んでいくのではと感じます。

今回のプログラムは

・ハイドン：ピアノソナタ第11番

・チャイコフスキー：「四季」一月〜六月
・「ピアノについて・・・」（ピアニストが考えていること、と題してのお話）
・ラヴェル：「クープランの墓」全曲
・アンコール
　チャイコフスキー：瞑想曲

　ショパン：幻想即興曲
グリーグ：トロウドハウゲンの婚礼の日

次回(vol.4)は2023年10月7日（土）を予定しております。会場は同じ世良美術館です。

心からの感謝を込めて。本日は本当にありがとうございました。

カンセイ・ド・アシヤ文化財団　代表理事　
山田　良