【2023年度フランス音楽コンクール】声楽部門２位（１位なし）・総合２位村山舞さん受賞コメント

【声楽部門入賞２位（１位なし）・両部門総合２位―村山　舞　さん】

東京音楽大学声楽科演奏家コース卒業、同大学院声楽専攻オペラ研究領域修了。二期会オペラ研修所第60期マスターコース修了。本科修了時に奨励賞受賞。二期会新進声楽家の夕べに出演。これまでに声楽を、釜洞祐子、加納里美、菊地貴子、佐野正一の各氏に師事。
第31回ソレイユ音楽コンクール、第52回フランス音楽コンクール入選。東京二期会オペラ劇場「メリー・ウィドー」にグリゼット役で本公演デビューの他、「ヘンゼルとグレーテル」グレーテル、露の精、「フィガロの結婚」バルバリーナ、「ボエーム」ムゼッタ等で出演。フォーレ「レクイエム」のソプラノソロを務める。二期会、さいたまシティオペラ、小田原演奏連盟、各会会員。

１、今回のコンクールでの自分の演奏をふりかえって　および　今回のコンクールに参加しての印象

この度は歴史ある第53回フランス音楽コンクールでこのような賞を頂き、誠にありがとうございます。

この場を借りて、これまでお世話になった方々に感謝申し上げます。

また3年ぶりに開催されたという表彰式では、事務局長の山田さんからこのコンクールの成り立ちや背景のお話を伺ったり、審査員の先生方から直に講評をお聞きする機会も頂き、今後の糧になると共にとても感慨深い時間を過ごさせて頂きました。

昨年度、初めてこのコンクールに参加し入選させて頂きましたが、本当にたくさんの美しいフランス歌曲を知る機会にもなり、さらにフランス歌曲が好きになりました。今年はプログラムをアーンの《灰色の歌》をメインに構成しました。ポール・ヴェルレーヌの詩が集められ一つの愛の物語が構成されている、語りが魅力の歌曲集ですが、こちらは今年12月26日に東京文化会館小ホールであります自身のリサイタル『村山舞ソプラノ・リサイタル』でもプログラムに組んでいます。

このコンクールを通して勉強したことや、気づいたことを更に深めていきたいと思っています。

２、フランス音楽との出会い（きっかけなど）

大学3年生の時にレッスンで初めてフランス歌曲を勉強しました。もともとフランス文学や印象派の絵画、フランス映画が好き憧れがあったのですが、初めてフォーレの「リディア」と「夢のあとに」をレッスンで見ていただいたときに、もっと勉強したい！と思ったことを覚えています。フランス語独特の鼻母音や旋律の動き、彩り豊かな和声の美しさが綺麗だといつも思っています。

３、演奏家としての今後の抱負

これまでオペラの作品を勉強することが多く、このコンクールを通してフランス歌曲に魅了された一人なのですが、今後はもっと幅広い作曲家の作品に触れフランス歌曲のレパートリーを広げていきたいと考えています。

決められた役を演じるオペラとは違って、歌曲はすべて自分が主人公になって表現できるので、その分技術だったり解釈が問われますが、長い時間をかけて人生と一緒に成長できる分野でもあると思います。今後も勉強を重ね、自身の声も人としても深みを増して、詩と音楽の世界を声で表現できる歌い手になりたいです。

また直近の演奏活動としましては、先述しましたが、今月12月26日にあります、初めてのソロリサイタルに向けて準備をしているところです。

来年は春以降になりますが都内と、地元小田原市での演奏の機会があります。いつかコンクール開催地でもある大阪にもご縁があれば嬉しいです。

一つ一つの演奏や経験を大事に、今後も精進してまいりたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いいたします。